CO2レーザー切断入門
A.CO2レーザー技術の基礎
CO2レーザー技術は、多くの近代的な切断・彫刻システムの基幹を形成している。CO2レーザーは、主に二酸化炭素、窒素、ヘリウムからなる混合ガスを電気的に刺激することで作動します。この刺激により、CO2分子は波長10.6マイクロメートルの赤外線を放出する。
CO2レーザーシステムの主なコンポーネントは以下の通り:
- ガスチューブ:CO2混合ガスを封入
- 電源:ガスを励起する電気エネルギーを供給
- ミラー:レーザービームを導く
- 集束レンズ:切断のためにビームを集中させる
10.6マイクロメートルの波長は、さまざまな材料、特に有機物質や多くのプラスチックの切断や彫刻に特に効果的です。この波長は、これらの材料に吸収されやすく、効率的な切断と最小限の熱影響部を可能にします。
B.CO2レーザー切断の利点
CO2 レーザー切断 は、従来の切断方法よりも多くの利点があるため、多くの産業で好まれている:
- 高精度:CO2レーザーは、最大±0.1mmの切断精度を達成できるため、複雑なデザインや厳しい公差の作成が可能です。
- 汎用性:これらのレーザーは、金属、木材、アクリル、布地、さらには食品を含む幅広い材料を切断、彫刻、およびマーキングすることができます。
- スピード:CO2レーザーの切断速度は、薄い材料では毎分20メートルに達し、従来の多くの切断方法を大幅に凌駕します。
- 非接触加工:レーザービームが材料に物理的に触れないため、切断工具の摩耗が減り、頻繁な交換の必要がなくなる。
- 材料の無駄を最小限に抑えます:CO2レーザーの切り口幅は0.1mmと狭いため、機械的な切断方法と比べて材料の無駄が少なくなります。
- 自動化に適しています:CO2レーザーシステムは、CNCコントローラーやロボットシステムと簡単に統合でき、自動化された生産工程を可能にします。
これらの利点により、CO2レーザー切断は様々な産業で広く採用され、製造工程に革命をもたらし、新たなデザインの可能性を可能にしました。
C.様々な産業での応用
CO2レーザー切断の汎用性と精度は、多くの産業で不可欠なものとなっている:
- 工業用溶接および切断自動車および航空宇宙分野では、CO2レーザーは高精度の金属部品の切断および溶接に使用される。例えば、ダッシュボードの複雑なパネルの切断や、航空機の構造における特殊合金の溶接に使用されています。
- 医療処置:CO2レーザーは様々な医療分野で応用されています。皮膚科では、皮膚のリサーフェシングや病変の除去に使用されています。外科手術では、CO2レーザーは最小限の出血で正確な切開を行うことができ、腫瘍摘出などの処置に役立ちます。
- 積層造形:3Dプリンティングの領域では、CO2レーザーが選択的レーザー焼結(SLS)プロセスで重要な役割を果たしている。粉末材料を層ごとに融合させ、プロトタイピングや小規模生産のための複雑な3Dオブジェクトを作成するために使用されます。
- 芸術的彫刻:アーティストや職人は、CO2レーザーを使用して、木材、ガラス、革などの素材に複雑なデザインを施します。この技術はパーソナライゼーション・サービスに革命をもたらし、さまざまな製品に迅速かつ詳細なカスタム彫刻を施すことを可能にしました。
- 繊維産業CO2レーザーは、特に高級衣料品やテクニカル・テキスタイルの生産において、布地を正確に裁断するためにますます使用されるようになっている。CO2レーザーは、ほつれを防ぐきれいで密封されたエッジを作ることができ、従来の裁断方法よりも大きな利点があります。
- 食品産業驚くことに、CO2レーザーは食品加工にも応用されている。冷凍食品の正確な切断や小分け、焼き菓子の装飾パターンの作成などに使用されている。
CO2レーザー切断厚さ、速度、出力チャート内訳
CO2レーザーの厚みと速度チャートは、精密金属加工に不可欠なツールであり、様々な材料と厚みにわたって切断性能を最適化するための特定のパラメータをオペレーターに提供します。これは、レーザー出力設定、切断速度、材料の厚さを関連付け、効率的なプロセスの最適化と一貫した品質の出力を可能にします。
チャート解釈ガイドライン
厚みとスピードのチャートを解釈する際、これらのチャートが基礎的な基準点として機能することを理解することが極めて重要である:
レーザー出力(ワット数):ワット数は、レーザーのエネルギー出力と切断能力を定義します。ワット数が高いほど、厚い材料の切断や切断速度の向上が可能になります。しかし、切断性能を包括的に理解するためには、ビーム品質(M²)と出力密度(W/cm²)を考慮することが不可欠です。
材料の厚さ:一般的にミリメートル(mm)単位で測定されるこのパラメータは、さまざまな出力設定で効果的に切断できる最大厚さを示します。特にアルミニウムや銅のような反射材では、出力と厚みの関係は必ずしも直線的ではないことに注意することが重要です。
材料固有の切削パラメータ
- 備考(レーザ出力は定格出力の95%)
1.アクリルのための二酸化炭素レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | アクリル(mm/s) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
厚さ | 3mm | 5mm | 8mm | 1cm | 15mm | 20mm | 25mm | 30mm | 35mm | 40mm | |
25W | 最高速度 | 8 | 4 | 1 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
最適速度 | 5 | 2 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | |
40W | 最高速度 | 15 | 8 | 4 | 3 | -- | -- | -- | -- | -- | -- |
最適速度 | 10 | 5 | 2 | -- | -- | -- | -- | -- | -- | -- | |
60W | 最高速度 | 20 | 10 | 5 | 4 | 2 | 1 | -- | -- | -- | -- |
最適速度 | 15 | 7 | 3 | 2 | 0.8 | 0.3 | -- | -- | -- | -- | |
80W | 最高速度 | 25 | 12 | 9 | 6 | 3 | 1.5 | 0.5 | -- | -- | -- |
最適速度 | 20 | 8 | 5 | 3 | 1.5 | 0.5 | 0.2mm.s | -- | -- | -- | |
100W | 最高速度 | 30 | 15 | 10 | 7 | 4 | 2 | 0.8 | 0.3 | -- | -- |
最適速度 | 25 | 10 | 6 | 4 | 2 | 0.7 | 0.3 | -- | -- | -- | |
130W | 最高速度 | 35 | 17 | 12 | 8 | 5 | 3 | 1 | 0.5 | 0.2 | -- |
最適速度 | 30 | 12 | 8 | 5 | 3 | 1 | 0.4 | 0.3 | -- | -- | |
150W | 最高速度 | 40 | 21 | 15 | 11 | 7 | 4 | 1.8 | 0.8 | 0.4 | 0.1 |
最適速度 | 35 | 15 | 10 | 7 | 4 | 1.5 | 0.8 | 0.5 | 0.1 | -- | |
180W | 最高速度 | 45 | 25 | 18 | 16 | 9 | 5 | 2.5 | 1.3 | 0.6 | 0.2 |
最適速度 | 40 | 18 | 12 | 10 | 6 | 2 | 1.2 | 0.8 | 0.3 | 0.1 | |
200W | 最高速度 | 55 | 30 | 25 | 20 | 11 | 7 | 5 | 3 | 1 | 0.5 |
最適速度 | 45 | 25 | 15 | 13 | 8 | 4 | 3 | 1.5 | 0.7 | 0.3 |
アクリルの切断は空気の流れの制御に注意を払うべきであり、アクリルの滑らかさを保障するように、材料の表面で吹く空気はより小さいか、または側面吹くべきである; 火災を防ぐために材料の底に空気の流れがなければならない。
2.CO2 レーザー切断厚さ・速度チャート金型切断・折り目プレート
素材 | 型抜き&筋入れプレート | |||
---|---|---|---|---|
厚さ | 15mm | 18mm | 20mm | |
25W | 最高速度 | -- | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | -- | |
40W | 最高速度 | -- | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | -- | |
60W | 最高速度 | -- | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | -- | |
80W | 最高速度 | -- | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | -- | |
100W | 最高速度 | -- | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | -- | |
130W | 最高速度 | 4mm/s | 2mm/s | -- |
最適速度 | 3mm/s | 1.2mm/s | -- | |
150W | 最高速度 | 6mm/s | 4mm/s | 2.5mm/s |
最適速度 | 4.5mm/s | 2.5mm/s | 1.8mm/s | |
180W | 最高速度 | 8mm/s | 5mm/s | 3.5mm/s |
最適速度 | 6mm/s | 3.5mm/s | 2.5mm/s | |
200W | 最高速度 | 11mm/s | 8mm/s | 6mm/s |
最適速度 | 9mm/s | 6mm/s | 4.5mm/s |
型抜き&折り目付けプレートをカットする際には、焦点とエアフローのコントロールに注意しなければならない。エアフローが大きいほど、切断速度は速くなり、エアアウトレットの穴は小さくなり、材料の単位面積に作用する力は大きくなる。焦点深度が長く、ナイフの継ぎ目の精度をよりよく達成できるように、焦点距離が100mm以上のフォーカスレンズを使用することをお勧めします。
3.密度板(高密度板)のための二酸化炭素レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | 密度ボード(高密度ボード) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
厚さ | 3mm | 5mm | 10mm | 15mm | 18mm | |
25W | 最高速度 | 5mm/s | 2mm/s | -- | -- | -- |
最適速度 | 3.5mm/s | -- | -- | -- | -- | |
40W | 最高速度 | 9mm/s | 5mm/s | -- | -- | -- |
最適速度 | 7mm/s | 3.5mm/s | -- | -- | -- | |
60W | 最高速度 | 15mm/秒 | 10mm/s | 3mm/s | -- | -- |
最適速度 | 12mm/s | 8mm/s | -- | -- | -- | |
80W | 最高速度 | 20mm/秒 | 13mm/s | 5mm/s | -- | -- |
最適速度 | 15mm/秒 | 10mm/s | 3.5mm/s | -- | -- | |
100W | 最高速度 | 23mm/秒 | 15mm/秒 | 7mm/s | 2.5mm/s | -- |
最適速度 | 18mm/秒 | 13mm/s | 5mm/s | -- | -- | |
130W | 最高速度 | 25mm/秒 | 18mm/秒 | 9mm/s | 4mm/s | -- |
最適速度 | 20mm/秒 | 15mm/秒 | 6.5mm.s | 3mm/s | -- | |
150W | 最高速度 | 30mm/s | 21mm/s | 12mm/s | 7mm/s | 4mm/s |
最適速度 | 25mm/秒 | 18mm/秒 | 9mm/s | 5.5mm/s | -- | |
180W | 最高速度 | 33mm/s | 25mm/秒 | 14mm/s | 9mm/s | 5mm/s |
最適速度 | 28mm/秒 | 21mm/s | 11mm/s | 7mm/s | 4mm/s | |
200W | 最高速度 | 40mm/s | 30mm/s | 18mm/秒 | 12mm/s | 8mm/s |
最適速度 | 35mm/秒 | 25mm/秒 | 15mm/秒 | 10mm/s | 7mm/s |
密度ボードのカッティングは、主にエアフローのコントロールに注意を払う。エアフローが大きいほど、切断速度は速くなります。
4.革のための二酸化炭素レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | レザー | |
---|---|---|
厚さ | 単層 | |
25W | 最高速度 | 6mm/s |
最適速度 | 5mm/s | |
40W | 最高速度 | 15mm/秒 |
最適速度 | 12mm/s | |
60W | 最高速度 | 20mm/秒 |
最適速度 | 17mm/秒 | |
80W | 最高速度 | 25mm/秒 |
最適速度 | 20mm/秒 | |
100W | 最高速度 | 30mm/s |
最適速度 | 25mm/秒 | |
130W | 最高速度 | 40mm/s |
最適速度 | 35mm/秒 | |
150W | 最高速度 | 45mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
180W | 最高速度 | 50mm/秒 |
最適速度 | 45mm/秒 | |
200W | 最高速度 | 60mm/秒 |
最適速度 | 55mm/s |
革の切断には、焦点距離50のフォーカスレンズと60W~100Wのレーザー管、小型のエアコンプレッサーの使用を推奨する。
5.CO2 レーザー切断厚さ・速度チャート木質ボード (希少な硬質木材を除く)
素材 | ウッドボード(希少なハードウッドを除く) | ||||
---|---|---|---|---|---|
厚さ | 3mm | 5mm | 10mm | 15mm | |
25W | 最高速度 | 4mm/s | |||
最適速度 | |||||
40W | 最高速度 | 10mm/s | 5mm/s | ||
最適速度 | 8mm/s | ||||
60W | 最高速度 | 15mm/秒 | 10mm/s | 4mm/s | |
最適速度 | 12mm/s | 8mm/s | |||
80W | 最高速度 | 20mm/秒 | 15mm/秒 | 8mm/s | |
最適速度 | 18mm/秒 | 10mm/s | 6mm/s | ||
100W | 最高速度 | 25mm/秒 | 20mm/秒 | 12mm/s | 8mm/s |
最適速度 | 22mm/秒 | 18mm/秒 | 10mm/s | 5mm/s | |
130W | 最高速度 | 30mm/s | 25mm/秒 | 15mm/秒 | 11mm/s |
最適速度 | 28mm/秒 | 22mm/秒 | 13mm/s | 8mm/s | |
150W | 最高速度 | 35mm/秒 | 30mm/s | 20mm/秒 | 15mm/秒 |
最適速度 | 33mm/s | 28mm/秒 | 17mm/秒 | 13mm/s | |
180W | 最高速度 | 40mm/s | 35mm/秒 | 25mm/秒 | 18mm/秒 |
最適速度 | 37mm/s | 32mm/s | 20mm/秒 | 15mm/秒 | |
200W | 最高速度 | 50mm/秒 | 45mm/秒 | 35mm/秒 | 25mm/秒 |
最適速度 | 48mm/s | 42mm/秒 | 30mm/s | 22mm/秒 |
木材の切断は、主にエアフローのコントロールに注意を払う。エアフローが大きいほど、切断スピードは速くなる。
6.布用CO2レーザー切断厚さ・速度チャート
素材 | 布 | |
---|---|---|
厚さ | 単層 | |
25W | 最高速度 | 25mm/秒 |
最適速度 | 20mm/秒 | |
40W | 最高速度 | 40mm/s |
最適速度 | 38mm/s | |
60W | 最高速度 | 60mm/秒 |
最適速度 | 58mm/s | |
80W | 最高速度 | 100mm/s |
最適速度 | 98mm/秒 | |
100W | 最高速度 | 200mm/秒 |
最適速度 | 195mm/秒 | |
130W | 最高速度 | 300mm/秒 |
最適速度 | 295mm/s | |
150W | 最高速度 | 400mm/秒 |
最適速度 | 395mm/s | |
180W | 最高速度 | 500mm/s |
最適速度 | 495mm/s | |
200W | 最高速度 | 600mm/s |
最適速度 | 590mm/s |
レザーカッティングと同じ
7.ポリ塩化ビニールのための二酸化炭素レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | PVC | |||
---|---|---|---|---|
厚さ | 2mm | 3mm | 4mm | |
25W | 最高速度 | 15mm/秒 | 12mm/s | -- |
最適速度 | 13mm/s | 10mm/s | -- | |
40W | 最高速度 | 35mm/秒 | 30mm/s | 25mm/秒 |
最適速度 | 32mm/s | 27mm/秒 | 20mm/秒 | |
60W | 最高速度 | 50mm/秒 | 40mm/s | 35mm/秒 |
最適速度 | 45mm/秒 | 38mm/s | 30mm/s | |
80W | 最高速度 | 60mm/秒 | 50mm/秒 | 45mm/秒 |
最適速度 | 58mm/s | 48mm/s | 40mm/s | |
100W | 最高速度 | 70mm/秒 | 60mm/秒 | 55mm/s |
最適速度 | 68mm/秒 | 58mm/s | 50mm/秒 | |
130W | 最高速度 | 80mm/s | 70mm/秒 | 65mm/s |
最適速度 | 78mm/s | 68mm/秒 | 63mm/s | |
150W | 最高速度 | 90mm/秒 | 80mm/s | 75mm/s |
最適速度 | 88mm/秒 | 78mm/s | 73mm/秒 | |
180W | 最高速度 | 100mm/s | 90mm/秒 | 85mm/秒 |
最適速度 | 98mm/秒 | 88mm/秒 | 80mm/s | |
200W | 最高速度 | 120mm/秒 | 110mm/s | 100mm/s |
最適速度 | 118mm/s | 108mm/s | 98mm/秒 |
PVC切断には、焦点距離50のフォーカスレンズと60W~100Wのレーザー管を使用し、出力は50%~70%を推奨します。
8.鋼板のためのCO2レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | 鋼板 | ||
---|---|---|---|
厚さ | 2mm | 3mm | |
25W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
40W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
60W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
80W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
100W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
130W | 最高速度 | -- | -- |
最適速度 | -- | -- | |
150W | 最高速度 | 8mm/s | -- |
最適速度 | 6mm/s | -- | |
180W | 最高速度 | 15mm/秒 | 7mm/s |
最適速度 | 12mm/s | -- | |
200W | 最高速度 | 40mm/s | 25mm/秒 |
最適速度 | 30mm/s | 18mm/秒 |
鉄板切断には酸素補助が必要で、酸素圧力は0.8MPa。
9.CO2レーザーによる二色刷り板厚・速度チャート
素材 | 2色プレート | |
---|---|---|
厚さ | 2mm | |
25W | 最高速度 | 10mm/s |
最適速度 | 7mm/s | |
40W | 最高速度 | 15mm/秒 |
最適速度 | 13mm/s | |
60W | 最高速度 | 25mm/秒 |
最適速度 | 20mm/秒 | |
80W | 最高速度 | 35mm/秒 |
最適速度 | 30mm/s | |
100W | 最高速度 | 40mm/s |
最適速度 | 35mm/秒 | |
130W | 最高速度 | 45mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
150W | 最高速度 | 55mm/s |
最適速度 | 50mm/秒 | |
180W | 最高速度 | 65mm/s |
最適速度 | 60mm/秒 | |
200W | 最高速度 | 80mm/s |
最適速度 | 75mm/s |
PVCカッティングと同じ。
10.紙のCO2レーザー切断厚さ・速度チャート
素材 | 紙 | |
---|---|---|
厚さ | 単層 | |
25W | 最高速度 | 50mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
40W | 最高速度 | 80mm/s |
最適速度 | 40mm/s | |
60W | 最高速度 | 120mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
80W | 最高速度 | 150mm/s |
最適速度 | 40mm/s | |
100W | 最高速度 | 250mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
130W | 最高速度 | 350mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
150W | 最高速度 | 450mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
180W | 最高速度 | 550mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s | |
200W | 最高速度 | 650mm/秒 |
最適速度 | 40mm/s |
紙を切断する際、レーザー出力調整に注意してください。レーザー管の出力が高いほど、レーザー調整率は小さくなります。
11.ゴム板のための二酸化炭素レーザーの切断の厚さ及び速度の図表
素材 | ゴム板 | ||
---|---|---|---|
厚さ | 4mm(1mm) | 6mm(2mm) | |
25W | 最高速度 | 5mm/s | 2mm/s |
最適速度 | 4mm/s | 1mm/s | |
40W | 最高速度 | 15mm/秒 | 10mm/s |
最適速度 | 13mm/s | 8mm/s | |
60W | 最高速度 | 25mm/秒 | 15mm/秒 |
最適速度 | 20mm/秒 | 10mm/s | |
80W | 最高速度 | 30mm/s | 18mm/秒 |
最適速度 | 27mm/秒 | 15mm/秒 | |
100W | 最高速度 | 35mm/秒 | 20mm/秒 |
最適速度 | 33mm/s | 18mm/秒 | |
130W | 最高速度 | 40mm/s | 25mm/秒 |
最適速度 | 38mm/s | 23mm/秒 | |
150W | 最高速度 | 45mm/秒 | 30mm/s |
最適速度 | 43mm/s | 28mm/秒 | |
180W | 最高速度 | 50mm/秒 | 35mm/秒 |
最適速度 | 48mm/s | 33mm/s | |
200W | 最高速度 | 60mm/秒 | 45mm/秒 |
最適速度 | 58mm/s | 43mm/s |
ゴム板は一般に単層で切断され、表層は貫通切断できる。表は表層の切断パラメータに属する。
CO2レーザー切断を理解する
CO2レーザー切断は、さまざまな材料の切断や彫刻に利用される高精度の熱プロセスです。この技術は、高出力レーザービームを利用し、高度に制御された正確な方法で材料を溶融、燃焼、または気化させ、複雑な形状ときれいなエッジを可能にします。
CO2レーザー技術の基礎
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、ガス放電励起の原理で動作します。レーザー共振器には、炭酸ガス、ヘリウム、窒素ガスが注意深くバランスよく混合されている。電流がこの混合ガスを通過すると、CO2分子が励起され、赤外線を放射する。このプロセスにより、特定の特性を持つ強力で集束性の高いコヒーレント光ビームが生成される:
- 波長:通常10.6マイクロメートル(遠赤外線領域)
- モード通常はTEM00(横方向電磁モード)で最適なフォーカシングを行う。
- 出力範囲:産業用20Wから20kW以上まで
生成されたビームは、一連のミラーとレンズを使用してワークピースに照射され、集束される。多くの場合、切断領域を高速かつ正確に移動するためのフライング光学系が組み込まれている。
CO2レーザーで一般的に加工される材料は以下の通りです:
- オーガニック素材:木、革、布、紙
- プラスチックアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン
- 非金属:ガラス、セラミックス(制限あり)
- 薄い 金属:ステンレス鋼、軟鋼、アルミニウム(通常25mmまで、レーザー出力による)
10.6マイクロメートルの波長は、有機材料や多くのプラスチックに非常に吸収されやすいため、CO2レーザーはこれらの基板に対して特に効率的である。
切削厚みと切削速度に影響する要因
CO2レーザー切断システムの性能は、最大切断厚さと切断速度の両方に影響を与えるいくつかの相互関連変数によって支配されます:
1.レーザー出力:ワット数の高いレーザーは、より厚い材料を切断し、より高速で動作することができます。出力は通常、小型のホビーマシン用の30Wから、産業用システム用の6kW以上の範囲です。
2.材料特性:
- 熱伝導率:放熱と切断効率に影響する。
- 融点/気化点:材料除去に必要なエネルギーを決定する
- 反射率:レーザービームの吸収に影響
- 厚さ:切断速度と最大加工可能厚さに直接影響する
3.ビームの焦点:
- 焦点距離:焦点深度と切断厚に影響する
- スポットの大きさ:スポットが小さいほど出力密度が向上するが、切り込み深さが浅くなる可能性がある。
- 焦点位置:最適な位置は材質と厚さによって異なる
4.アシストガス
- 酸素:発熱反応により鉄系金属の切断を促進する。
- 窒素:ステンレスとアルミニウムの高品質エッジに不活性環境を提供します。
- 圧縮空気:非金属および一部の薄い金属用の費用対効果の高いオプション
5.切削パラメータ:
- 切削速度:材料の厚さに反比例
- 電力変調:用途に応じたパルス波モードと連続波モード
- マルチパス:厚い素材やエッジの品質を向上させるために使用します。
6.マシン・ダイナミクス
- 加減速能力
- 位置決め精度と再現性
- 振動制御と全体的な剛性
7.切断環境:
- 周囲温度と湿度
- 粉塵とヒュームの抽出効率
- 機械の較正とメンテナンス状況
これらの要素を最適化することは、切削速度、厚み能力、刃先品質の間で望ましいバランスを達成するために非常に重要です。メーカーは通常、出発点としてパラメータチャートを提供しますが、ユーザーは経験的なテストを通じて設定を微調整する必要があります。先進的なシステムでは、センサーからのフィードバックに基づいてリアルタイムでパラメータを最適化する適応制御アルゴリズムを組み込むことができます。
確かに。次のメインセクションである「他の切断方法との比較」では、これまでのセクションとの整合性を保ちつつ、詳細な情報を提供していくことにしよう。
他の切断方法との比較
CO2レーザー切断と他の切断方法との比較を理解することは、特定のアプリケーションに最適な技術を選択するために非常に重要です。このセクションでは、CO2レーザー切断と他の一般的な切断技術との包括的な比較を提供します。
A.CO2レーザーと他のレーザータイプ(ファイバー、クリスタル)の比較
1.切断能力:
- CO2レーザー:非金属や有機物の切断に優れている。厚さ約25mmまでの金属を切断可能。
- ファイバー・レーザー:金属、特に反射性の金属の切断に優れています。金属によっては30mmまで切断可能。
- クリスタルレーザー(Nd:YAGなど):金属と非金属の両方に適しているが、一般的に金属用のファイバー・レーザーよりも効率が低い。
2.波長と吸収:
- CO2レーザー:波長10.6μm、有機材料やプラスチックによく吸収される。
- ファイバーレーザー:波長1.06μm、金属に強く吸収される。
- クリスタルレーザー:通常1.06μmで、ファイバー・レーザーに似ている。
3.効率:
- CO2レーザー5-10% 光学効率に対する電気。
- ファイバー・レーザー最大30%効率。
- クリスタルレーザー1-3%効率。
4.メンテナンス
- CO2レーザー:光学系とガスの定期的なメンテナンスが必要。
- ファイバー・レーザー:低メンテナンス、ガス不要。
- クリスタルレーザー:定期的なランプ交換が必要。
5.コスト:
- CO2レーザー:一般的に初期コストは低いが、運用コストは高い。
- ファイバーレーザー:初期コストは高いが、運用コストは低い。
- クリスタルレーザー:初期コストと運用コストは中程度。
Wanderaら(2015)の研究によると、5mmのステンレス鋼の場合、ファイバーレーザーはCO2レーザーよりも30%速い切断速度を達成し、同時に50%少ない電力を消費した。
B.CO2レーザー切断とプラズマ切断の比較
1.カット品質:
- CO2レーザー:高精度、狭いカーフ、最小限の熱影響部(HAZ)。
- プラズマ:カーフが広く、HAZが大きく、二次仕上げが必要な場合がある。
2.材料の厚さ:
- CO2レーザー:薄いものから中程度の厚さ(ほとんどの金属で25mmまで)に最適。
- プラズマ:非常に厚い材料(場合によっては150mm以上)を切断できる。
3.切断速度:
- CO2レーザー:薄い材料(6mm未満)により高速。
- プラズマ:厚い材料(> 6mm)をより速く。
4.営業コスト:
- CO2レーザー:初期投資が高いが、薄い材料では部品単価が低い。
- プラズマ:イニシャルコストが低く、厚い材料や大量生産には経済的。
5.材料の範囲:
- CO2レーザー:金属、プラスチック、木材、複合材など幅広い。
- プラズマ:主に金属などの導電性材料に限定。
O'Neillら(2018年)の研究によると、10mmの軟鋼の場合、プラズマ切断はCO2レーザー切断より40%速かったが、切り口幅は3倍大きかった。
C.CO2レーザー切断とウォータージェット切断の比較
1.カット品質:
- CO2レーザー:高精度、熱影響部あり。
- ウォータージェット:熱影響部がなく、熱に敏感な材料の切断が可能。
2.材料の厚さ:
- CO2レーザー:ほとんどの金属で約25mmまで。
- ウォータージェット:厚さ300mmまで切断可能。
3.切断速度:
- CO2レーザー:一般に、薄い材料にはより速い。
- ウォータージェット:全体的に速度は遅いが、材料の厚みに関係なく一定。
4.材料の範囲:
- CO2レーザー:範囲は広いが、非常に厚い素材や反射率の高い素材では限界がある。
- ウォータージェット:複合材やサンドイッチ材など、ほとんどの材料を切断できる。
5.営業コスト:
- CO2レーザー:薄い材料でより低い運用コスト。
- ウォータージェット:研磨剤の消費により運転コストは高くなるが、汎用性が高い。
6.環境への影響:
- CO2レーザー:ガスが発生するため、換気が必要。
- ウォータージェット:よりクリーンなプロセスだが、廃水が発生する。
Chenら(2016)による比較研究では、5mmアルミニウムの場合、CO2レーザー切断はウォータージェット切断より3倍速いが、HAZはより大きくなることがわかった。
D.CO2レーザー切断を選ぶとき
CO2レーザー切断は、次のような場面でしばしば好ましい選択となります:
- 非金属材料の切断:特にアクリル、木材、織物、多くのプラスチックに効果的。
- 高精度の要求厳しい公差ときれいなエッジが重要な場合。
- 薄い金属から中程度の厚さの金属まで:特に厚さ10mmまでの板金に効果的。
- 複雑な形状:複雑な形状やパターンの切断に優れています。
- 少量から中量の生産:金型交換を必要としない柔軟性を提供します。
- クリーンなカット環境:最小限の後処理とクリーンカットが必要な場合。
- マーキングと彫刻:CO2レーザーは切断とマーキングの両方を行うことができます。
E.費用便益分析
CO2レーザー切断を他の方法と比較検討する場合、いくつかの要因を分析する必要がある:
1.初期投資:
- CO2レーザーシステムの初期コストは、ファイバーレーザー(高い)やプラズマカッター(低い)に比べ、一般的に中程度である。
2.運営費:
- 消費電力、ガス代、消耗品を考慮する。
- CO2レーザは、非金属材料では運転コストが低くなることが多い。
3.生産性:
- 典型的な被削材に対応する切削速度を評価してください。
- セットアップにかかる時間や、さまざまな素材への柔軟性を考慮すること。
4.汎用性:
- CO2レーザーは、様々な材料に対してオールラウンドな性能を発揮します。
5.品質要件:
- 高精度と最小限の後処理が必要な場合、CO2レーザーが有利になることが多い。
6.環境への配慮:
- 換気の必要性や廃棄物管理も考慮する。
Martinezら(2019年)による様々な産業にわたる包括的な分析によると、CO2レーザー切断は、主に10mm以下の厚さの混合材料(金属と非金属)を扱う企業にとって、最高の費用対効果比を提供することが示された。
CO2レーザー切断における主要パラメータ
A.レーザー出力
レーザー出力は、CO2レーザー切断において重要なパラメータであり、切断能力と品質に直接影響します。一般的にワット(W)単位で測定され、小型のホビー用マシンの30Wから産業用システムの6000Wを超えるものまであります。
さまざまな用途における代表的な出力範囲:
- 30W-100W:紙、布、薄いアクリルなどの薄い素材の切断に適しています。
- 100W~500W:厚めのアクリル、木材、薄い金属の切断に最適。
- 500W~2000W:厚い金属の切断や高速加工に使用。
- 2000W-6000W+: 厚い金属の切断や大量生産のための工業用アプリケーション。
Caiazzoら(2005年)の研究によると、カットの場合、以下のことが判明した。 304ステンレス鋼:
- 1mm厚の最適なカッティングには1000Wが必要
- 2mm厚必要 1500W
- 3mm厚が必要 2000W
これは、材料の厚さと必要なレーザー出力の間に直接的な関係があることを示している。
パワーがカットの品質とスピードに与える影響:
- 一般にパワーが高いほど切断速度が速くなり、厚い材料も切断できる。
- しかし、過剰な出力はカーフ幅を広げ、熱影響部(HAZ)を増大させる可能性がある。
例えば、Yilbas(2004)の研究によると、2mmの軟鋼を切断する際にレーザー出力を1000Wから1500Wに増加させると、切断速度は40%増加したが、HAZも約15%増加した。
B.切断速度
切断速度は通常、メートル毎分(m/min)またはミリ毎秒(mm/s)で測定され、生産性と切断品質にとって極めて重要です。
様々な素材と厚さに対応する速度範囲:
マイルド・スチール:
- 1mm:5-10 m/分
- 5mm: 1-3 m/分
- 10mm0.5-1 m/分
アクリル:
- 3mm:15~30mm/秒
- 6mm:8~15mm/秒
- 10mm:3-8 mm/s
合板:
- 3mm:20~40mm/秒
- 6mm:10~20mm/秒
- 9ミリ5~10mm/秒
速度と切断品質の関係:
- 速度が速すぎると、切断が不完全になったり、ドロスが形成されたりする。
- 速度が低すぎると、過度の溶融、より広い切り口、より大きなHAZを引き起こす可能性がある。
Radovanovic and Madic (2011)の研究によると、3mmの軟鋼の場合、切削速度を2m/minから3m/minに上げると、HAZが18%減少したが、表面粗さも12%増加した。
C.材料の厚さ
材料の厚さは、必要なレーザー出力と達成可能な切断速度の両方に大きく影響します。
出力レベル別の最大切断厚さ:
- 100W:アクリル10mmまで、合板6mmまで
- 500W:軟鋼6mmまで、アクリル15mmまで
- 2000W:軟鋼15mmまで、アクリル25mmまで
- 4000W:軟鋼25mmまで、アクリル40mmまで
最小厚さの制限:
CO2レーザーは0.1mmまで薄く切断することができるが、非常に薄い材料では取り扱いと放熱が難しくなる。
厚みが切断品質とエッジ仕上げに与える影響:
- 厚い材料は一般に、メルトフローが増加するため、エッジ仕上げが粗くなる。
- 入熱を注意深く制御しないと、薄い材料は反ったり変形したりすることがある。
Eltawahniら(2012)によるMDF切断に関する研究では、レーザー出力と速度を一定に維持した場合、厚さを4mmから9mmに増加させると、表面粗さが35%増加することが示された。
D.焦点と焦点距離
高品質なカットを実現するには、適切なフォーカシングが重要です。レンズの焦点距離は焦点深度と最小スポットサイズを決定する。
適切なピント合わせの重要性:
- 最適なフォーカス位置により、カッティングポイントでのエネルギー密度を最大化。
- 焦点合わせが不十分だと、カットが不完全になったり、切り口が広がったり、カットの質が低下したりする。
さまざまな素材に適した焦点距離を選択する:
- 焦点距離が短い(1.5″~2.5″):薄い素材に適しており、スポットサイズが小さく、ディテールが細かい。
- 長焦点(4″~7.5″):厚い素材に適しており、焦点深度が深い。
Wanderaら(2011)の研究によると、10mmのステンレス鋼の場合、焦点距離を127mmから190mmにすることで、切断品質を維持しながら切断速度を15%向上させることができた。
E.アシストガスの種類と圧力
アシストガスは、溶融した物質を除去し、レンズを破片から保護するという重要な役割を果たしている。
アシストガスの種類と用途
- 酸素:発熱反応により軟鋼の切断を促進する。
- 窒素:ステンレスやアルミニウムに酸化物のないきれいな切断面を提供。
- 空気:非金属と一部の薄い金属用の費用対効果の高いオプション。
さまざまな素材に最適なガス圧を
- 一般に圧力が高いほど切断速度は速くなるが、運転コストが高くなる可能性がある。
- 標準的な圧力範囲:
- 軟鋼用酸素: 0.5-6 bar
- ステンレス鋼用窒素:10~20 bar
- アクリル用空気1-3バール
Chen(1999)の研究では、6mmの軟鋼を切断する際に酸素圧力を0.5barから2barに上げると、切断速度が30%向上し、ドロスの発生が50%減少することが実証された。
CO2レーザー切断性能の最適化
CO2レーザー切断のパフォーマンスを最適化することは、高品質の切断を実現し、生産性を最大化し、運用コストを削減するために極めて重要です。このセクションでは、レーザー切断プロセスを微調整するためのさまざまな戦略について説明します。
A.設定の微調整
微調整 レーザー切断パラメータ は、カットの品質と効率を大幅に向上させることができる反復プロセスである:
- パワーの調整推奨パワーからスタートし、切り口を見ながら少しずつ(5~10%)上げていきます。例えば、5mm厚のステンレスを切断する場合、出力を2000Wから2200Wに上げると、速度を落とすことなく切れ刃の滑らかさが向上する可能性があります。
- 速度の最適化:切断品質が悪化するまで切断速度を徐々に上げ、その後最適なバランスを見つけるためにわずかに下げる。Yilbasら(2008)の研究によると、3mmの軟鋼の場合、切削速度を30mm/sから35mm/sに上げると、切削品質を損なうことなく、熱影響部が12%減少した。
- フォーカス位置:焦点の位置を少し調節してみてください。厚い材料の場合、焦点位置を表面よりわずかに下に設定すると、切断品質が向上する。Chenら(1999)は、10mmのステンレス鋼の場合、焦点位置を表面より2mm下に設定すると、表面集束に比べて切断速度が15%向上することを実証した。
- ガス圧をアシスト材料と板厚に応じてガス圧を最適化する。圧力が高いほど切断速度は速くなるが、運転コストが増加する可能性がある。例えば、6mmの軟鋼を切断する場合、酸素圧力を3バールから5バールに上げると、切断速度が20%向上する可能性があります。
B.特定のアプリケーションのためのカスタムチャートの作成
特定のアプリケーション用にカスタムチャートを開発することは、効率と品質の大幅な向上につながります:
- 体系的なテスト:一般的に使用する素材や厚さごとに、パワーとスピードの設定を変えて、一連のカットを行います。
- 品質評価:エッジの平滑度、切り口の幅、熱影響部などの品質 要因について、各切断を評価する。可能であれば、表面粗さの測定など、定量的な指標を使用する。
- データの集計:各材料と厚さについて、出力、速度、切断品質の関係を示すマトリックスまたはグラフを作成する。
- 最適範囲の識別:速度を最大化しながら、許容可能な切断品質が得られる設定範囲を強調表示します。
- 継続的な改良:継続的な生産データ、材料や設備の変更に基づき、カスタムチャートを定期的に更新します。
C.よくある問題のトラブルシューティング
レーザー切断の一般的な問題を特定し解決することは、最適な性能を維持するために不可欠です:
- ドロスの形成:切断底部に過剰なドロスが形成されている場合は、切断速度を上げるか、出力を下げてみてください。例えば、3mmのアルミニウムを切断する場合、出力を10%下げると、切断完了に影響を与えずにドロスを除去できる場合があります。
- カットが不完全切断が不完全な場合は、まず焦点位置を確認し、切断速度を下げるか出力を上げてみてください。材料が平らで、適切に支えられていることを確認してください。
- 切り口が広い:切り口が必要以上に広い場合は、切断速度を上げるか、出力を下げてみてください。また、集束光学系の状態もチェックしてください。
- 切断品質が一定しない:材料特性のばらつきやレーザー出力の変動が原因である可能性があります。材料の品質を一定に保ち、レーザーシステムの性能を定期的にチェックしてください。
D.カット品質向上のためのヒント
これらのヒントを実行することで、優れたカット品質を達成することができる:
- 定期的なメンテナンス光学部品を清潔に保ち、アライメントを整える。Wanderaら(2011)の研究によると、適切なメンテナンスを行うことで、カット品質を最大25%向上させ、光学部品の寿命を延ばすことができる。
- 最適なアシストガスの選択:最良の結果を得るには、高純度ガスを使用する。ステンレス鋼の場合、高純度窒素を使用することで、必要な後処理を最小限に抑え、酸化物のない切断が可能。
- 材料の準備:材料が清潔で、レーザー吸収に影響するような油分やコーティングがないことを確認する。適切な材料の取り扱いは、切断品質を向上させ、欠陥のリスクを低減します。
- 切断順序の最適化:複雑な部品の場合、切削順序を最適化し、熱の蓄積と潜在的な歪みを最小限に抑えます。外側の輪郭を切削する前に、内部の特徴から始めます。
E.厚みに基づく最適化戦略
材料の厚みが異なれば、最適化のアプローチも異なる:
1.薄い素材(3mm未満):
- オーバーヒートと歪みを防ぐため、高速に重点を置く。
- 溶融物の吹き出しを避けるため、ガス圧を低くする。
- 背面反射を最小限に抑えるために、ハニカムカッティングベッドの使用を検討する。
2.中程度の厚さ(3-10mm):
- パワーとスピードのバランスにより、過度の熱を加えることなくきれいなカットを実現。
- 焦点位置を最適化し、この範囲の厚い素材では、表面より少し下に設定する可能性がある。
- アシストガス圧を微調整し、乱流を発生させることなく溶融物を効果的に除去します。
3.厚い材料(> 10mm):
- 完全な浸透を確実にするため、高出力設定を使用する。
- 材料除去に十分な時間をかけるため、切削速度を下げてください。
- 極端に厚い材料は、切り込み深さを徐々に増やしながら、マルチパス切断を検討する。
- 焦点距離を最適化し、より長い焦点距離のレンズを使用することで、材料の厚さを通してより良いエネルギー分布が得られる可能性がある。
CO2レーザー切断における安全への配慮
CO2レーザー切断作業では、安全が最も重要です。適切な安全対策は、オペレーターを保護し、装置の完全性を維持し、規制基準への準拠を保証します。このセクションでは、安全に関する主な考慮事項とベストプラクティスについて説明します。
A.適切な換気と排煙
安全な作業環境を維持するためには、効果的な換気と排煙が不可欠です:
1.ヒュームの組成:CO2レーザー切断は、切断される材料によって様々な有害なヒュームを発生させる可能性がある。例えば、プラスチックを切断すると有毒ガスが発生し、金属を切断すると金属酸化物の粒子が発生します。
2.換気システムの要件:
- システムは、労働安全衛生局(OSHA)が推奨するように、作業エリア100平方フィートあたり最低1000立方フィート(CFM)の風量を提供する必要があります。
- 換気システムに、微粒子や化学ヒュームを捕捉する適切なフィルターが装備されていることを確認すること。
3.ヒューム抽出法:
- ダウンドラフトテーブル:落下しやすい重い粒子やヒュームの捕捉に効果的。
- 頭上抽出:上昇する軽めのガスに有効。
- ソースの捕捉:ノズルやフードを切断エリアの近くに設置することで、最大限の効率を実現。
4.定期的なメンテナンス:メーカーの推奨に従ってフィルターの清掃と交換を行う。Thorneら(2017)の研究によると、レーザー切断施設では、抽出システムの定期的なメンテナンスにより、空気品質が最大40%改善された。
B.眼および皮膚の保護
CO2レーザーは強い赤外線を放射するため、目や皮膚に深刻なダメージを与える可能性があります:
1.目の保護:
- レーザー切断エリアにいるすべての人員は、適切なレーザー安全眼鏡を着用しなければならない。
- メガネは、CO2レーザーの特定の波長(10.6μm)およびシステムの最大出力に適合するものでなければなりません。
- 安全眼鏡に傷や損傷がないか定期的に点検することが不可欠です。
2.皮膚の保護:
- 作業者は長袖シャツ、長ズボン、つま先の閉じた靴を着用し、皮膚への露出を最小限に抑える必要がある。
- 高出力システムの場合は、レーザー耐性のある手袋やエプロンの使用を検討する。
3.標識とアクセス制限:
- レーザー切断エリアには、適切な警告サインを明示する。
- 権限のない人がレーザー切断ゾーンに入るのを防ぐため、アクセス制御を導入する。
C.火災予防対策
CO2レーザー切断は高熱を伴うため、重大な火災の危険がある:
1.消火システム:
- レーザー切断エリアの近くに、適切な消火器(通常はクラスA、B、C)を設置してください。
- 危険性の高い用途には、自動消火システムを検討する。
2.マテリアルハンドリング:
- 可燃物はレーザー切断エリアから離して保管してください。
- 耐火性のカッティングベッドやテーブルを使用する。
3.業務慣行:
- 稼働中のレーザーカッターを絶対に放置しないでください。
- 切断後、材料を取り扱う前にクールダウンを実施すること。
- 定期的に切断箇所を清掃し、可燃性のゴミを取り除く。
4.緊急時の手続き:
- 緊急停止手順を作成し、定期的に練習する。
- すべてのオペレーターが火災対応プロトコルの訓練を受けていることを確認すること。
5.監視システム:
- レーザー切断エリアに煙・熱検知器を設置する。
- 潜在的な火災の危険を早期に発見するために、赤外線サーマルカメラの使用を検討する。
Zhangら(2019)による事例研究では、包括的な火災防止対策を実施することで、レーザー切断施設における火災事故が2年間で75%減少した。
D.電気的安全性
CO2レーザーシステムには高電圧部品が使用されているため、厳密な電気安全対策が必要です:
- 適切な接地:感電の危険を防ぐため、すべての機器が適切に接地されていることを確認してください。
- 定期的な点検:電気接続部および構成部品を定期的に点検する。
- ロックアウト/タグアウト手順メンテナンスおよび修理作業には、厳密なロックアウト/タグアウト手順を実施する。
- オペレータートレーニング:レーザー切断システムに特化した電気安全に関する包括的なトレーニングを提供する。
E.化学物質の安全性
材料によっては、切断すると有害な化学副産物が発生することがある:
- 製品安全データシート(MSDS): 裁断するすべての材料のMSDSを管理し、確認すること。
- 個人用保護具(PPE):処理される材料に基づき、必要に応じて呼吸器を含む適切な PPE を提供する。
- 化学薬品の保管:レーザー切断工程で使用する化学薬品は適切に保管し、廃棄すること。
- 緊急時の対応適切な漏出キットを用意し、緊急用シャワー/洗眼所を設置する。
F.規制遵守
関連する安全規制および基準を遵守すること:
- OSHA基準:OSHAのレーザー安全ガイドライン(OSHA Technical Manual Section III: Chapter 6)に従うこと。
- ANSI規格:レーザーの安全使用に関するANSI Z136.1規格に従ってください。
- 地域の規制レーザーの操作および安全性に関する地域または州固有の規制を認識し、遵守してください。
- 定期的な監査継続的なコンプライアンスを確保し、改善すべき領域を特定するために、定期的な安全監査を実施する。
これらの安全への配慮を優先することで、レーザー切断作業は、高い生産性を維持しながら、作業員や設備へのリスクを最小限に抑えることができます。定期的なトレーニング、安全プロトコルの一貫した実施、最新の安全基準の更新は、安全で効率的なレーザー切断環境を構築する鍵である。
メンテナンスと校正
CO2レーザー切断システムの適切なメンテナンスとキャリブレーションは、最適な性能、機器の寿命、安定した切断品質を確保するために非常に重要です。このセクションでは、レーザー切断システムのメンテナンスと較正の重要な側面について説明します。
A.定期的なクリーニングとアライメント
1.清掃スケジュール:
- 毎日:カッティングベッドを清掃し、作業エリアのゴミを取り除く。
- 毎週:ミラーとレンズを含むビーム伝送システムのクリーニング。
- 毎月:手の届きにくい場所も含め、マシン全体のディープクリーニングを行う。
2.洗浄技術:
- ミラーやレンズには、糸くずの出ない布と適切な光学クリーニング液を使用してください。
- 光学部品の近くで圧縮空気を使用することは、汚染物質を持ち込む可能性があるため避けてください。
- 金属加工用途では、ノズルやカッティングヘッドに付着した金属スパッタを定期的に除去してください。
3.アライメントチェック:
- ビームアライメントチェックを毎週、または機械が大きく動いた後に行ってください。
- メーカーが提供するアライメント・ツール、または専用のレーザー・アライメント・デバイスを使用してください。
- アライメントの手順と結果を文書化し、長期的に追跡できるようにする。
Johnsonら(2018年)の研究によると、厳格なクリーニングとアライメントスケジュールを実施することで、6カ月間で30%の切断品質が向上し、45%の計画外ダウンタイムが削減された。
B.レンズとミラーのメンテナンス
1.検査:
- レンズとミラーに損傷や汚れの兆候がないか、毎日目視点検する。
- 懐中電灯を使用して、傷、穴あき、コーティングの損傷などをチェックする。
2.洗浄工程:
- 緩い粒子を取り除くには、穏やかな送風機を使用する。
- 光学洗浄液をレンズティッシュに含ませ、円を描くように優しく拭きます。
- 頑固な汚れには、洗浄液を染み込ませた綿棒を使用する。
3.交換スケジュール:
- フォーカスレンズは、使用状況や切断する材料によって異なりますが、3~6ヶ月ごとに交換してください。
- ミラーは年に1回、または目に見える劣化が確認された場合に交換してください。
- 交換時のダウンタイムを最小限に抑えるため、予備の光学部品を手元に置いておく。
4.取り扱い上の注意
- 光学部品を取り扱う際は、必ずパウダーフリーの手袋を着用してください。
- 光学部品を使用しないときは、清潔で乾燥した場所に保管してください。
- 損傷を避けるため、光学部品の取り外しや取り付けには適切な工具を使用してください。
C.スピードとパワーの設定の較正
1.パワーキャリブレーション:
- 実際の出力が設定値と一致していることを確認するため、パワーメーターの読み取りを毎月実施する。
- CO2レーザー波長用に設計された校正済みパワーメーターを使用してください。
- キャリブレーションカーブを作成し、設定パワーと実際のパワーの不一致を調整する。
2.スピードキャリブレーション:
- レーザー干渉計またはボールバーシステムを使用して、四半期ごとにモーションシステムの精度をチェックする。
- 切断速度を一定にするため、加速度と減速度を調整する。
- エンコーダの精度を確認し、必要に応じてモーション・コントロール・パラメータを更新する。
3.フォーカスキャリブレーション:
- フォーカステストパターンを使って、焦点位置を毎週チェックする。
- 必要に応じてZ軸オフセットを調整し、最適なフォーカス位置を維持する。
- オートフォーカスシステムの場合、センサーの精度を毎月確認する。
4.材料固有の校正:
- 一般的に使用される材料でテストカットを行い、パワーとスピードの設定を微調整します。
- さまざまな素材や厚さに最適な設定のデータベースを作成し、維持する。
- 材料や機械の状態の変化に応じて、このデータベースを定期的に更新する。
Martinezら(2020)によるケーススタディでは、包括的な較正プログラムを導入することで、大量生産環境において、切断精度が22%向上し、材料の無駄が15%削減されたことが実証された。
D.アシストガスシステムのメンテナンス
1.ガスの質:
- アシストガスの品質、特に酸素と窒素を定期的にチェックする。
- ガス分析器を使用して、純度レベルが要求仕様を満たしていることを確認する。
2.圧力チェック:
- 校正された圧力ゲージを使用して、ノズルのガス圧力を毎週確認します。
- 漏れを示す可能性のあるデリバリーシステムの圧力降下がないか点検する。
3.ノズルのメンテナンス:
- ノズルに損傷や汚染がないか、毎日点検してください。
- 最適なガス流量を維持するため、必要に応じてノズルを清掃または交換する。
4.フィルター交換:
- インラインガスフィルタは、製造元の推奨に従って、または圧力低下が確認された場合に交換してください。
E.冷却システムのメンテナンス
1.クーラントの点検:
- クーラントレベルを毎日監視し、必要に応じて補充する。
- pHや汚染レベルを含め,クーラントの品質を毎月 点検する。
- クーラントは,通常,年に1回,製造元の 推奨に従って完全に交換する。
2.流量の検証:
- クーラント流量がシステム要件を満たして いることを確認するため,四半期ごとに点検する。
- 流量が仕様を下回っている場合は、フローレストリクタを清掃または交換します。
3.温度制御:
- 毎日チラーの作動を確認し、設定温度を維持していることを確認する。
- チラーの熱交換器を四半期ごとに清掃し、効率を維持する。
F.文書化と記録の保持
1.メンテナンスログ:
- すべての整備作業について、日付、手順、交換部品などの詳細な記録をつけること。
- デジタル・メンテナンス管理システムを使用して、追跡と分析を容易にする。
2.パフォーマンスの追跡:
- 出力、切断品質、機械の稼働時間などの主要な性能指標を記録する。
- 傾向を分析し、失敗につながる前に潜在的な問題を特定する。
3.校正記録:
- メンテナンスおよび校正プロセスで使用されるすべての測定機器の校正証明書を管理する。
- すべての機器の校正期日をスケジュールし、追跡する。